口永良部島紀行〜西の湯から寝待へ〜
24、25日と口永良部に行って来ました。
口永良部へは屋久島からフェリーが1日1便。
偶数日は朝の便、奇数日は昼の便が運行しています。
船着き場は私のいる安房地区から車で30分以上の場所、
24日は8時10分発のフェリーで、冬場は始発のバスに乗ってもフェリーの時間に間に合わないのです。
どうしたものかと考え、
前日に宮之浦へ乗り込み、釣りをして朝を待つことにしました。
いわゆる、野営。
やってやりましたとも。
23日は風が強く、防波堤まで行くと更に強風。吹きっさらしで釣りをするのはなかなか過酷でした。
過酷な方が楽しい事もあるのです。
旅行前から良い思い出が出来ました。
次やる時にはテントか寝袋が必要だ。
荷物はクーラーボックスも含めて全て、このお利口さんなリュックに詰め込みました。
釣りは毎度お馴染み5㎝位のこの魚。
なんてんだろ。
これかフエダイしか釣れないんだよなぁ。
一応この日も、食べられるサイズの釣果としてはフエダイを一匹釣ることが出来ました。
ぽっかり浮かぶ三日月
下弦の三日月は可愛いなぁ。
夜が明けてフェリーへ乗り込みます。
1時間40分程で口永良部に到着し宿を確保。
本当は事前予約が必要ですが、如何せん前日の夜中までシフトが出ないので予約出来なかった訳であります。
有難い事に「民宿 山波見」さんが泊めてくれました。
駄目だったらまた野営しようと思ってたんだが、何とかなって一安心でした。
船着き場からすぐなので釣りには持ってこいの宿です。
この日はひとまず島の温泉巡りをしました。
本村集落から寝待集落を目指します。
高台から見た本村集落と船着き場
暫く歩くと別れ道があり、
左手を海沿いに行き、階段を降りると西の湯があります。
ざざーーん!!
注:お風呂に入りながら景色は見れません。
混浴のお風呂ですが殆んど人気が無いので普通に入りました。
ヤッホーーイ
さて、時間も無いのでサクッと入って本命寝待温泉に向かいます。
それにしてもいい景色。
遠目から見た西の湯
途中ヘリポートが在りました。
何だか素敵な景色のいいところ。
2時間ちょっと歩いた頃、通りすがりの車が何処へ行くのか?と
私が寝待までと言うと、まだまだ遠いから乗せてくれるとの事。やったー!ありがたやー。
車で急な坂道を下っていくと、工事の車が。
口永良部の道はどこも細く、車が行き来かうだけの幅が無いので譲合いの精神で成り立っているのだと言う。
乗せてくれたおじさんに寝待温泉が崖崩れで埋まってしまったと云う新事実を伝えられました。
なんてこった!!
しかし、
岩場を通って窓から入る事が出来れば温泉に入れるそうな。
何だかワクワクしてきたぞ。
さて、坂の下まで来ると、
温泉は奥の青い屋根だよ。と教えて貰いそちらの方向、海辺に向かって歩いて行きました。
目の前には立神岩、これは一見の価値ありです。何だか威厳があります。
寝待温泉には湯治小屋もあるんですが、火山の噴火以降使われていないのか、今は利用出来そうに有りません。
何軒か有るけどどれも閉まっていてボロンボロンの小屋達。
でんわ、と書いてある所は電話boxで公衆電話が在りました。
イメージでは、となりのトトロでサツキが電報受ける時の電話みたいなのが入ってて欲しかったのだが。
これね。
しかして、 その先に広がるのは海と岩場のみ。
はて??
温泉がどこか分からない。
暫くうろうろして、一回元に戻り、高台から見てみると、先程教えて貰った青い屋根は湯治小屋を越えて更に奥に在りました。
何と、
湯治小屋の先はこーんな事に。
なるほど、こりゃぁ、あんた。。
でも、楽しそうーーー!!
崩れた岩場を飛び越えると海岸沿いに温泉が見えました。
入口は無いので、石塀をよじ登る。
この塀をよじ登る。
昔から石塀を登るのが大好きなんだ、私は。
何故こんなにも心踊るのだろうか。
さて、問題のお風呂です。
思った以上に埋まっていました。
ドアの下半分は土砂に埋もれていて、窓がかろうじて出入り出来るのみとなっております。
大抵の人は引くと思うので、温泉マニアでどうしてもじゃない限りオススメしません。
が、しかし
やはりお湯は抜群でした。
こんこんと湧き出づるお湯よ…嗚呼。
人の欲望なぞ遥か越えた自然の営みよ。
火山をよって出来る温泉がまた噴火によって崩れ、地球のリズムはその一定のサイクルを永遠に守っているのみなのだ。云々
なぞと物想いにふけるのでした。
見よ、この湯の花を。
電気点かないし人気も無いし、壁は薄汚れていて、何だかちょっと恐いんだけど、入れて良かった極上温泉でした。
アトピーが治る事で有名だそうです。
温泉成分表は有りませんでした。
屋久島はアルカリ、西の湯は中性だったのに、寝待だけ酸性泉なんだな。
帰りはトコトコ歩いていると、トラックとすれ違いました。
行きに通った工事現場の人でした。
もう少し行くと、トラックが待っていてくれました。
この先の坂の上まで車で乗せて行ってくれると。
なんとまぁ!優しさあふるる事。
1番の難所の坂を行きも帰りも車に乗せて貰い、本当に助かりました。
残り2、3時間の道のりを元気よく歩いていると、何だか素敵なお家を発見。
寄ってみると「民宿 くちのえらぶ」さんでした。
とってもフレンドリーでパワフルな楽しい奥さまが居て、小一時間程お茶を頂いて話をしました。
入った瞬間に安心するような、何だかとっても落ち着く場所でした。
さて、遅くなる前に帰宅をば。
何だか沢山あるこの枯木、太陽の塔を連想するのは私だけだろうか??
写真で切り取ると盆栽の様に見える山の樹
ヤクシカ、尻尾がふぁっふぁしてました。
着物の柄にありそう、綺麗だなぁ。
夕飯は急な宿泊にも関わらず、沢山用意してくれました。
口永良部島といったら伊勢海老。
当然の如く出て来ます。
2日分書く予定が、1日で長くなってしまったので残りはまた。
この日は24日、クリスマス。という訳で、
それでは、皆様ごきげんよう。